「?」


肩越しに振り返れば、何故か申し訳なさそうにあたしを見ていた。


「どうしたの?」

「ごめんね」

「何が?」


何故謝るのか分からない。
あたしに謝るようなことをしたのかしら?


「………妹さんのこと」

「………」

「本当は、蒼馬に消せって言われてたんだ」


なんで、とは聞かない。


「でも、恵里ちゃんが受けた痛みは受けてもらった」


あぁ、だから茉里は少し見ない間に窶れて元気がなかったんだと思った。


何をしたかは分からない。
自分自身どれ程の痛みを受けたかも分からない。
でも、きっともう二度とこんなことは起きないように思えてならない。


もう、あたしは苦しい思いを、悔しい思いをしなくてもいいのよね?