その後、お母さんの心配する電話に一度帰ることにした。
勿論蒼馬も、何故か那祁も一緒だった。


――――本当は、家に帰るのが、怖かった。


あたしだってお母さんに会いたい。
でも、あの家には茉里がいる。
今のあたしには、茉里と顔を合わせるのは辛いものだった。


『―――俺が傍にいる』


ギュッと手を握られ、元気付けられる。


『――うん』


だから、あたしは頑張れる。





余り空けてなかったつもりだったのに、自分の家を見上げてもう何ヶ月も帰ってきていないような錯覚を覚えた。


あたしと蒼馬と那祁と、三人で玄関に入る。


『ただいま』


お母さん。


『恵里っ』


ダダダッとお母さんらしからぬ急いだ様子に首を傾ける。
お母さんは、あたしを見るなり思いっきり抱き締めてくれた。