そんなこんなで蒼馬の家に過ごしはじめて三週間。
「本当に、大丈夫なの」
何度言っても聞いてくれない。
蒼馬は、色々とやりたがる。
「まだダメだ」
この一点張り。
蒼馬が何を思いながら行動しているのか今一つ理解できていない。
「何がダメなのよ?」
「身体は大丈夫でも、傷はまだ塞がってない」
空になった土鍋を片しながら言う蒼馬に、目を見開く。
身体は大丈夫。でも、心の傷は、塞がりきっていない。
蒼馬の家で過ごすようになって、亜理砂や廉、那祁も時々遊びに来る。
ある日、那祁が遊びに来たときに顔の大部分を占めていたガーゼにあたしは悲鳴をあげそうになった時があった。
どうしたの、と聞いてみると那祁は笑うだけ。
ただ、『お仕置きだよ』と言っただけだった。