『あぁ、連れてきた』
『なんで…?』
『俺が看病したかったから』
しっかり看病するんで連れて帰らせて下さいって頼んだら恵里のお母さん、快く聞き入れてくれた。
『そう……』
『あぁ……治るまでいていいって』
目覚めたばかりのあたしと違って蒼馬は嬉しそうだ。
声が弾んでいる。
それから、甲斐甲斐しく蒼馬はあたしを看病し始めた。
取りあえず、驚くことばかりだった。
まずは、蒼馬が料理することが出来ることだった。
蒼馬が作ったお粥は、素っ気ない味のはずだのに、とても美味しい。
二つ目に蒼馬は、面倒見が良いんだということだ。ずっと側にいてくれて、あたしの世話をしたがる。
余りにも汗でベタベタになったときに熱も余りないしお風呂に入りたいと言ったときに一緒に入ると言ったときには丁重にお断りしたが。