――――実は、あの日の記憶は余り覚えていなかった。
熱に魘されていたからかもしれない。
後から聞いた話によると、まるまる3日あたしは眠り続けていたということだった。
3日過ぎて、目を覚ましたあたしがまず思ったことは、『ここはどこ』。
いつも見慣れているはずの自分の部屋の天井ではなかったのだ。
パチパチと瞬きを繰返しながら心の中ではパニック状態。
『え、なに、ここ、え……?』
もしかして誘か……と思ったところで蒼馬が姿を現した。それで、蒼馬の部屋に寝ていると言うことが分かった。
(だけど、なぜ?)
何故、あたしは蒼馬の寝室にいるのだろう……?
その疑問を本人にぶつけると、蒼馬はさらっと応えた。