「そ……ま…?」


恵里は、その目に俺を映すと、安心したように口元を緩めた。
そして、力尽きたようにその場に座り込んでしまう。


「恵里っ」


俺は慌てて駆け寄った。
肩に触れると服越しでも伝わってくる熱の熱さ。


「こんな状態で何で来たんだ……」

「心、配で……」


小さく空笑いをする恵里を俺は抱き寄せた。


「蒼馬……移る、わ」

「大丈夫」


むしろ移してくれ。


「………何、態々来たの?」


俺達の雰囲気をぶち壊す一人の声。
勿論その声の主は恵里の妹だ。
妹は、恵里を見下ろしながら笑う。


「………」


恵里は、俺の胸に手を当て離れると、ゆっくりと立ち上がった。
力が入っていないので支えてやる。
恵里は、まっすぐ妹と対峙する。