「あ?」
「あんな静かで友達のいない子のどこがいいの?!」
実の姉であるはずだのにこんな物言いをするものか?
「皆、あんな子よりあたしが良いって!!あたしの方があの子より勝ってる!」
友達も先生も男も、皆恵里より茉里だと言うのに。
「あの子よりあたしが……!!」
「………俺はな」
「お前が一番嫌いだ」
グニャリと妹の表情が崩れた。
「憎くて仕方ない。消したくて仕方ない。今までなんでしなかったか分かるか?………一応、恵里の妹だったからだ」
那祁と廉の間を押し退けて、屈む。
「俺はな、お前が良いなんて一度も思ったことはない」
「う、そ……」
「俺の中で一番は恵里だけだ」
ポロリと妹の目から別の涙が頬を伝う。