「なんで止めんだよ」

「犯罪者にすることは出来ませんから」


妹を俺から庇うように立つ二人に苛立ちを覚える。


「邪魔だ」

「何があったんだよ」

「黙れ、その女、渡せ」

「蒼馬らしくない」


俺らしい?
俺らしいって何だ?
そんなことよりも俺は許せない。


「恵里の側にこいつはいるべきじゃない」

きっと今日休んだのも体調悪いのではないのだ。
この女のせいに決まってる。


「前々から、思ってたんだよ……漸く実行する日が来た」

「…………」

「なぁ?海江田茉里」


二人の隙間から妹を覗き見る。
涙を流しながら呼吸を整えている。


「…………のよ、」

「あ?」

「あんな子のどこがいいのよ!!」


妹の叫びが木霊した。