目を見開く妹を冷たい目で見下ろす。


「俺をそこら辺の男と一緒にするな」

「っは、」

「恵里に何をしただと?妹と言えど許せねぇ」


グッと手に力を込める。
身長差もあり、妹の足は僅かに浮いている。
妹の首元を掴んでいる俺の手に添えられる。


「恵里を真似やがってくそ女が」

「っは……な……で」

「あ?」


妹の血の気が引いていく。
目には涙が一杯浮かんでいた。


加減なんか忘れて押さえつけていると、ガラッと保健室のドアがスライドした。


「蒼馬!………っおいっ何してんだよ!!」

「廉?……那祁もか」

「死ぬぞそいつっ」


廉が駆け寄ってきて俺を妹から引き剥がした。


「っげほっ、ごほっ………かはっ」


ヒューヒューと妹は床に座り込んで酸素を吸い込もうと必死になっている。