妹の隣にいたくなくて、ベッドから立ち上がるとギシリとスプリングが鳴る。


「蒼馬」


キュッと後ろから抱き締められた。


「好き……あたしと一緒にいて?」

「………」


他の男はこれでやられてしまうのだろうか。
しかし、俺の心はぐらつきすらしない。


「………恵里に悪いとか思わないのか?」

「別に?あの子よりあたしの方がいいもの」


ね?と妹は俺に抱きつく力を強くする。
俺は、深くため息をついた。


「………俺も言いたいことがある」

「なぁに?」


妹の腕をほどいて向かい合わせになる。
ニコニコと笑うその顔を苦痛で、絶望に染めてみたくなった。


「―――――ふざけんなよ」

「え……ぐぅ、?!」


俺は、妹の首元に手をやるとそのまま近くの壁に押し付けた。