「電話で分かる」
「へぇ………」
「恵里は、あんな話し方しないからな」
「それは……」
もう少し勉強しとくべきだったなぁと茉里は、でも、と続ける。
「じゃあどうして来たの?」
「どうしてだと思う?」
「さぁ?」
分からないけど、と妹は身を捩る。
「この状況っておいしくない?」
「あ?」
「ねぇ、あたしのものになってよ」
もの………?
「恵里じゃつまんないでしょ?」
これは、本当に恵里の妹か?
絶対に違う。
「………お前なら満足出来るって?」
「恵里よりね」
ふふっと笑う妹に、話にならないと俺は妹からどいた。
「あたし、色々頑張ったんだけど、恵里が中々別れてくれなかったんだよね」
視界の隅では上半身を起き上がらせていた。