その手が気持ちよくて目を閉じた。


「蒼真君に連絡した?」


小さく首を横に振る。


「メールしなさい。」

「……ん」


あ、でも携帯部屋においてきちゃったわ。また、二階に上るのは大変だわ……。


「何、お姉ちゃん病気?」

「茉里、そうなのよ」

「………!」


茉里の声を聞いて、今日はどれ程大事な日か思い出した。
バッチを悪用される前に取り戻さないと。


「………学校、行く…」

「何言ってるの、無理よ」

「でも、」


行かなきゃ………。
体温計が熱をはかり終えた合図を出す。
見れば、38. 9℃。


「この熱で学校には行かせません」

「お母さ……」

「茉里、ごめんだけど、恵里の携帯をとってきてくれないかしら」