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知らなかった訳じゃない。
分かっていたつもりだった。
でも、心の片隅では、間違っていてほしかったのかもしれない。






「……………」


ジッとある一点を見つめる。
その先にはグシャグシャの教科書やノート。そして、大きな一枚の紙。


(………幼稚ね)


クダラナイ。


じろじろとクラスメートからの視線を受けながら、あたしはゴミ箱を引きずってきてグシャグシャの教科書を全て捨てた。
また、新しく買えば良い。


亜理砂の次はあたし?
………にしても、幼稚すぎるわね…


こんなことをされてもあたしの心は大して痛みを覚えることはなかった。
それはきっと、今まで傷つきすぎたからだと思う。


(次は、現国か……)


教科書、亜理砂に借りなきゃ。