(や、やばい……)


あたしと亜理砂は、身を寄せ合い、様子を伺う。


「……せっかく寝てたのに……」


はあぁ、と深いため息をつく。


「ど、どうしましょ」

「だから、言ったじゃないっ」

「だ、だってぇ……」


ヒソヒソと話をしながら蒼真の様子を窺っていると、ギロリと睨まれた。
ヒッと二人で震え上がる。


「恵里」

「ぅあ、はいっ」

「………」


蒼真は無言で手招きする。
遠慮したいが、ここで逃げたらとんでもないことになりそうなので、そろそろと蒼真に近づく。


「ど、どうしたの……きゃ、」


ぐいっと引っ張られて蒼真にダイブ。
硬い胸板にしたたか鼻をぶつけ、鼻が痛い。
もぞもぞと動きながら手で鼻を擦っていると、がっちりと抱き込まれた。