「大丈夫、付き合いだしたの昨日だし」
焚き付けたのが俺だから知ってるだけだよー。
「ふーん……」
「あれれ?恵里様不機嫌?」
からかってくる那祁に、あたしは更に剥れる。
いいもの、亜理砂に問いただすから。
「機嫌の悪い恵里様は、どうしたら良くなるかな?」
「………別に機嫌悪くないわ」
「そぉ?」
クスクスと那祁が笑っていると、もぞっと蒼真が身動ぎした。視線を下に向ければ、体勢を変えた蒼真が顔をあたしのお腹を方を向ける。
(ちょ………)
流石にお腹の方に向けられるのはあまり好きじゃない。
(お腹が……)
手を伸ばして蒼真の体勢をずらそうとする。しかし、落とされると思ったらしく、あたしの腰に手を回してきた。