「買ってこい」
「はぁ?」
「どうせ自分もだろ」
「嫌だよ。めんどくさい」
はぁ、とため息をつく。那祁はにやついたまま、迎えに行くんだろと言う。
「亜理砂ちゃん迎えに行くんだろ?」
「………」
「ついでだついで」
肩を叩かれ、廉は舌打ちをすると、ダルそうに立ち上がる。
「………後で倍にして請求してやる」
ギロリと那祁を睨んだ後、廉は部屋を後にする。
廉の出ていった出口を見つめながら、あたしは首を傾けた。
「どうして廉が亜理砂を迎えに?」
「彼氏のお勤めだからね」
「彼氏……?」
「知らない?付き合い出したんだよ、あの二人」
「………」
亜理砂……あたし、聞いてないんですけど?