「そうだねー」
廉の隣で那祁も頷く。
「俺達の知る蒼真じゃない……」
「まぁ、はっきり言えばキモいよね」
クスクスと那祁が笑えば、廉も同意し、目の前で言われている蒼真は二人の会話をシカト。
あたしの膝に頭を乗せて、お昼寝中だ。
「気持ちが分からない訳じゃないしね」
「?」
「恋い焦がれていた恵里ちゃんが手にはいったもんね」
べったりしたくなるよ、と那祁は言う。
廉はため息をつく。
「俺は、こんな蒼真に憧れてたのかよ………」
「落ち込むな」
ポンポンと那祁は廉の背中を叩いてやる。
「憧れ?」
首を傾けながら聞き返せば、那祁が頷く。
「そうだよー。廉は蒼真が大好きなんだよ」
大好き……?