幸せだと、心の底から言える。
それから、他愛もない話をしながら時間を過ごしていると、聞きなれたバイク音が耳に届く。
「お迎えみたいだね」
「そうみたいです」
お互い笑いあい、広場の入口を見ると蒼真がバイクから降りてヘルメットを取った所だった。
今日は、タイムリミットみたい。
「―――また来ますね」
ゆっくりと腰をあげながらあたしは大和さんに微笑む。
微笑みを返してくれた大和さんは、またねと手を振ってくれた。
「また、この時間に」
「楽しみにしてるよ」
大和さんにならって手を振り返せば、スッと大和さんの目が細くなる。
ガラリと変わった雰囲気にあたしは首を傾けた。
「どうかしました?」
「――――その腕、どうしたの?」
大和さんの目は、じっとあたしの右腕に釘付けになる。