でも、この気持ちは嘘偽りのない、真実だから。
もう二度と抱かないくらいの恋心だから。
「だんだん好きになっていくにつれて不安ばっかりだった……」
信じられなくて、前に進めなくて……怖くて。
でも、蒼真には伝えるべきことだった。
「恵里」
ぎゅうっと抱き締めてくれている腕の力が強くなって密着とが増す。
伝わってくる心音は、速い。
「そ……ま」
「本当だな?本当に俺が好きなんだな?」
嬉しそうな声に、あたしは今更ながら緊張してきて心拍数も上がってきた。
でも、それよりも気持ちが溢れていて、今まで沢山伝えてきてくれた分を返したい思いで一杯だった。
「………好き」
「俺も好きだ」
交わした想いは本物で、お互い伝わってくる心音は速かった。
もっと早く踏み出していれば、傷つけることはなかったのに。
それでも、手遅れにならなくて良かったと心底思い、大和さんに感謝した。