「あの女は、正直生理的に受け付けない。お前の妹でなければ抹消したいくらいにな」


グイとジュースを飲み干す。
あたしは、膝を抱える力を少し強めながらポツリと呟いた。


「………茉里に興味持ってた癖に」

「は?」

「………」


聞き返され、あたしはもう言いたくなくて膝に顔を埋めた。


「おい、今のはどういう意味だ?」


若干低い声に、あたしはますます何も言いたくなくなる。
醜い、と思った。
真っ黒な感情が渦巻いている。


「恵里」


腕を引っ張られて体勢を崩してしまう。


「言えよ」

「…………だって」

「だって?」

「茉里に彼氏いるだろって……」


言ってたじゃない。


「茉里も、蒼真は自分に興味あるって………やっぱり蒼真も茉里、なのかな……って思って……」


あぁ、言ってしまった。