大学の講義を終えて、ヤマトと学食で昼食をとることにした。
俺は酢豚定食。ヤマトはチーズハンバーグ定食のご飯大盛りを注文。
お昼時ということもあり、大学生でごった返しになっているが、たまたま小さなテーブルが空いていたので、そそくさと早足で席を確保した。
「嗚呼ダメだぁ……なんなのあの授業? プリント見ても意味不明なんだけど」
はぁっと溜息を零しながら、ヤマトは味噌汁をすすった。
「そう? 俺は面白いと思ったけど、佐野先生のスポーツ心理学」
「はぁ!? だってあの人途中から授業と全然関係ない話し始めるじゃんか。ここは居酒屋っじゃねぇっつーの!」
「それがいいじゃんか。ちょっと可笑しくて」
まあ確かに、度々脱線はするけれど。
どうせ俺は馬鹿ですよといじけながら、箸を進めるヤマト。
俺も酢豚に手を伸ばし昼食を堪能していると、ふいに思い出しかのようにヤマトが「そういえば」と口火を切った。