遠い昔の約束を覚えていて「日本代表じゃないと意味がない」という理由で日本に戻ってきた朝飛も、ある種の厨二病であり正真正銘のイタイ子だ。
こんな馬鹿な兄弟じゃ、祖父母が見限るのも無理はないか。
でも、俺達が出来るのはこれしかないのだ。
そしてその夢が、もう手の届く距離にある。
正直中国大会に出場しないのは痛い。もしかしたらこの判断が、後々重大な結果を引き起こすかもしれない。
それでも俺は後悔しない。後悔なんてするわけがない。
朝飛まで巻き込んでおいてなんだけど、
「俺はさ」
俺の勝手な自己満足なんかより、
「五輪よりも、家族の方が大事だから」
家族四人で繋がっている方が、よっぽど大事で幸せなんだ。