新プロは中国大会までの約二週間でなんとか形は完成した。
ギリギリ間に合った形ではあるが、後は滑りこんで完成度を高めて行くのみ。
そしてもう一つ、四回転の導入。
初戦は三回転すら安定していない状態だったので自分の意思で回避したが、今回の試合でジャンプに対する不安は払しょく出来た。
調子も少しずつだが上向きになっている。
精神的に余裕が生まれたのも大きな要因かもしれない。
GPFは各大会のポイント上位六名が出場出来る大会。
一位は最大の15ポイント、二位は13ポイント、三位は11ポイント、四位は9ポイント……と、順位が下がるにつれポイントも下がっていく。
例年通りであれば、大体24ポイントが進出ラインとなっている。
NHK杯で優勝した俺は、表彰台に昇ればファイナル進出は確定。四位になったとしても有力。五位でも他の選手の動向によっては可能性もなくはない。
しかも中国は日本との時差が一時間ほどしかない。