タクは世界選手権で四位という成績を収めたため、シード選手として二大会の出場が叶った。


さらにGPSの開催国には三つの地元枠があり、基準を満たした自国選手を優先的に確保する権利が与えられる。


大抵は世界選手権で好成績を収めた選手やジュニア上がりの有望株がその枠に収まることが通例となっているため、世界選手権で好成績を収めたタクがNHK杯に招待された。


ちなみに全日本チャンピオンの羽生と、昨シーズンのファイナル二位の西野はNHK杯には招待されていない。


二人とも選定される基準を満たしたが、敢えてNHK杯には呼ばれなかったのだ。


三人とも世界の舞台で優勝できる選手。折角六ヶ国で開催されるのに、わざわざ一か所に集めて共倒れになってしまっては勿体ない。


羽生も西野も自力で二枠を確保していたし、この大会に呼ぶ必要がなかったのだ。


なので残りの二枠は成長著しい若手が割り当てられ、女子シングルの方は枠が一つ余ってしまい、地元枠をISUに返還してイギリスの選手がそこに入った。


日本の女子シングルは層が厚過ぎて、選考基準を満たしている全選手が自力で二枠確保してしまったので、今回の地元枠返還が起きたようだ。


勿体ないが喜ばしいことだ。