出来れば新しいプログラムを披露したかったが、如何せん時間がない。
中途半端に作った物を披露するより、既にある物をマイナーチェンジして対応した方が良いだろうという決断に至ったのだ。
仮面舞踏会は既に滑りつくした自信のあるプログラムだ。
一週間もあれば新ルールに対応したプロに作り替えることができる。
「そっか。だけどファイナル出場が最重要課題だし、自信のあるプロを滑った方がいいもんね」
朝飛の言う通り。目先の目標は、NHK杯と二戦目の中国大会の表彰台。そしてGPFの出場だ。
五輪代表の選考基準は主に三つ。
①GPFで3位以内の日本人最上位者をその時点で内定。
②全日本選手権優勝者は原則選考。
③残る派遣枠についてはa.全日本選手権3位以内の者。b.GPF進出者。c.全日本選手権終了時点での世界ランキング日本人上位三名。
となっている。