「そうは言っても顔は真っ赤だぞ?」
「こ、これは……そだ! もうすぐNHK杯だけどフリーはどうなったの?」
無理やり話題を変えてきた。
まあ兄弟とはいっても、こういう話はしづらいものだ。
あまりからかうのも可哀そうだ。どうやら両想いというわけではなさそうだし。
この件はお互い落ちついたらまた話し合うとして。
「状況は最悪だよ。芳しくない」
ジャンプはやっと安定しだした。
六種類の三回転は、練習ではかなりの成功率になってきている。
後は演技の流れの中でミスなく跳ぶこと。
今では四回転の練習も取り入れ始めて、何回か質の良いジャンプも成功している。
ただ問題はFP。