ちなみに朝飛の得点は229点。美優を除けば、シニアを含めてトップの得点である。
「やっぱ美優姉は最強だね!」
イチゴのジャムをたっぷり塗りつけたトースターを齧りながら、朝飛はそんなことを言ってのけた。
あれ、自分から美優の話題を振ってきた?
どうやら中部選手権で仲直りしたようだ。
良かった良かった。これで心おきなく試合に集中できる。
それにしても、大会から帰って来てからずっと朝飛は上機嫌だ。
優勝したのだから機嫌が良いのは当たり前なのだが、漂う雰囲気がどことなく違う。
何と言えばいいのか……甘い? ピンクな香り?
まさか……いやいやそんな。脳内小学生の朝飛に限ってそんなことあるわけない。
「最近幸せそうだな。好きな人でも出来たか?」
ボトッと、トーストが床に落ちた。