「んなっ!?」
野田さんにもバレていた……だと……?
なるほど、だから先回りをしてカメラを奪い取ったのねってことはあの光景も見ていたのか!?
も、もう駄目だ。羞恥心で死んでしまいそう。
「ち、違うんです野田さん! あれはただのハグで、決してそういった浮ついた感情では!」
「なんだっていいのよ。私達からしたら密会している場所を押えさえすればそれで十分」
「うぅ……マスコミなんか嫌いだぁ……」
「だけどまだ良かったわ。あの男だったから実力行使が出来たけど、他の記者に見つかってたら今頃大スプークで日本中大騒ぎよ」
おっしゃる通りです。はい。
仮に私があの人に追い付いたとしても、写真のデータを奪うことなんて出来なかったはずだ。
無理やりカメラを奪い取ることなんて出来ないし、データを消してと頼んでも無理だっただろう。