大介にかなりのプレッシャーを与えられた。
それに美優は現在女子で唯一3Aを跳べる選手だが、3Aからのセカンド三回転を跳んだ所は見たことがない。
つまりこの時点で美優の負けは確定された。良し、とりあえず男子の面目は保たれた。
大介と一瞬目が合う。
大介はふっと不敵に微笑みと、弓なりの軌道を描きながらアクセルの態勢に入った。
さっきのジャンプよりもややスピードを殺しているが、一切の迷いがなく跳び上がる。
空中でしっかり三回転半。着氷も氷を捉えていて、態勢を崩さない。
そのまま左足を突いて再び跳び上がると、大介の小さな身体とは思えぬ大きく美しい放物線を空中に描いた。
見事としか言いようがない3A-3Tのコンビネーション。
基礎点13.6の超高難易度ジャンプだ。
ジャンプのランディングは羽生さんが一番だけど、高さや幅、ダイナミックさは大介の方が圧倒的に高い。