そして次の瞬間、俺は柄にもなく物凄く焦ってしまった。


「ごめっ……ごめ、んっ……なさい……」


朝飛がいきなり大号泣するから。


大粒の涙をポロポロ流し、嗚咽を交えながら「ごめんなさい」と何度も謝る。


え、マジで朝飛の方に非があるのか? 人畜無害過ぎて逆に問題を引き起こすタクの弟が?


ただ彼の謝罪の言葉は、どうも大介に向けられているようではない。


この場にはいない誰かを想って泣いているような……。


流石に目の前で大泣きされては、怒り心頭の大介も困惑したのか、俺に救援の視線を送ってきやがった。


いや、助けてほしいのは俺の方だよ。


いきなり部屋に転がり込んだと思ったら、小学生のような暴言を吐いて、しかもいきなり大号泣。


「はぁ……とにかく落ちつけお前ら」