ドンドンドンと連続ノック。喧しい、喧しいぞクソガキ共め。
怒りを押えながら鍵を解除して扉を開けると。
「……チビ助とジュニア?」
俺より頭一つ分ほど小さい、ジュニア選手の小僧が二人立っていた。
あ、チビ助はシニアだけ。うっかりうっかり。
相手が大介なら容赦なく叱りつけてやろうかと思ったが、二人の様子があまりにもおかしいので言葉が詰まってしまった。
大介は顔を真っ赤にしたまま、眉間に皺を寄せて怒り心頭といった様子。
対して朝飛は、顔面蒼白といった感じで瞳は潤んで今にも泣きだしそうである。
いや、泣いてたな。頬に涙の跡がある。
全く正反対の二人。そして俺はふと思う。
(また面倒なことに巻き込まれたな~)
と。