その言葉は、反則だよ――― ゆっくりと近づいてくる顔。 徐々に徐々に狭まる距離。 反射的に目を瞑る。 「美優……」 耳元で囁かれた言葉は甘美を帯びていて。 恋愛初心者の私には、もう一杯一杯だ――― 「なななな……なにしてんだぁぁぁぁああああああああ!」 現実に戻る。 声のする方へ顔を向けたら、タオルを頭にかけた大ちゃんが私達を指さしていた。