六種類あるジャンプで唯一前向きで踏み切るジャンプで、男子ではこのジャンプが跳べるか跳べないかで世界に行けるかどうか決まるといっても過言じゃない。


3Aの基礎点は8.2から8.5へアップ。3Lzより2.5も高い。


半回転多く回るだけだが、ルッツなんか比にならないくらい難しい。


そんな難しいジャンプを簡単に決めた羽生さんは、カメラに向かってVサインを送っていた。


余裕だなぁ。俺なんかそろそろ一杯一杯なのに。


ルールでは三回転限定なので、これから先はコンビネーションジャンプを跳ばなければ勝てない。


コンビネーションジャンプの基礎点は、単純に跳んだジャンプの基礎点の合計。


そしてセカンド・サードジャンプは、ファーストジャンプで着氷した足で踏み切れなければならないというルールがある。


大抵の選手は左回転。つまり右足で着氷するので、右足で踏み切るトウループとループジャンプの二つに限定される。


一応逆回転のジャンプを跳べば、全種類のジャンプをセカンドに付けることは可能だけど、両方向に回転できるスイッチジャンパーはほとんどいない。