演技構成点に力を入れたければ、技と技の繋ぎや振り付けを濃くして、演技全体の密度を高めるという手もある。


時間をどのように使うかは人それぞれ。さてさてどうしたものか。


今回はまだアニメのオープニング曲だし、朝飛も「カッコ良くてちょっぴり危険な感じがするプロ」という明白なテーマがあるから作りやすい。


だからお兄さんは頑張りました。物凄く頑張ったんだぞ。


さて、身体も温まったしそろそろいいか。


「大塚さん、ちょっと時間いいですか? 朝飛のSPを作ったので観てほしいんですけど」


「お、ついに完成したのか新プロ」


「やった! 早く見せてタク兄!」


「ちょっと待って。よし、これでOK」

CDをセットし、用意していた帽子を頭に乗せてリンクの中央部へ。


「帽子? 俺が頼んだのはショートだよ」


シングルの競技では小道具の使用は禁止されている。だから朝飛はこれがエキシビション用のプロだと早とちりしたようだ。