「うぐぅ…」
「ほら、早く」
「ふわぁい…」
半泣きみたいな状態でまた問題を解きなおす俺。
なんか俺可哀想じゃね?
まぁ勉強してこなかった俺が悪いんだけど。
「すいません会長。
ちょっとこの書類の確認いいですか?」
いつの間にか教室のドアのとこにいた生徒会のヤツ。
「えぇ」
紫乃はなんでもできて、みんなに好かれてて、みんなに尊敬されてて、優しくて(俺には冷たいけど)。
そんな紫乃を見てるのがすげー好き。
だけど今にも届きそうな距離にいた紫乃が少しでも離れると、すんげー距離が離れた気がする。
身体の距離じゃなく、心の距離が。