ボーッ
「小林、ボーッとするくらい簡単な問題なんだな。これ解いてみろ。」
え?何々?
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先生の体重は?
じゃなくて…。
ーX × (2×10)×(ーX)=
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知らねぇよ。
何だよ、Xって。
あたしは俯き、もう言うしかないと思った。
『わ…』
ガラガラッ
隣の席の人が筆箱を落とした。
…高瀬だ。
高瀬はあたしにノートを見て、というふうにアイコンタクトをした。
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= ー20X
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『……ー20X……です。』
「正解だ。よし次は――」
ふぅ。間一髪だった。
あ。後で高瀬にお礼しなきゃ。