♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪
あたしは携帯を開く。
―――――――――――――
今どこやぁ~
by伊河
―――――――――――――
あたしはもう学校に着いていたから、
伊河が来るのを待っていたのだ。
―――――――――――――
学校にいるよ。
by小林
―――――――――――――
ガラガラッ
バンッ
あたしは音のする方を向く。
そこには伊河が。
あたしに気づくと手招きをした。
タタタタタッ
『なに?』
あたしは伊河にきく。
『ん。』
伊河に何かを渡された。
それは、ひんやり冷たくて、
雪のように真っ白で、
甘い香りを漂わせていて、
今にも溶けてしまいそうな物だった。
伊河はハニカミながらあたしにこう言った。
『好きなんだろ??バニラ味。早く食べな。見つかるぞ??』
不覚にもその一言があたしの胸に響いた。
だが、伊河はどこか寂しそうだった。
ペリペリッ
パクッ
口の中に冷たい液体となって広がるバニラ味。
『おいしぃ。』
『俺も。』
ヒョイッ
『あっ!!』
パクッ
『うまっ。』
人生初の男の子との間接キス。
あたしの顔は真っ赤ないちご味に変わった。