「お前さっきオオカミって言っただろう」


ジュンの指摘にハルの顔が赤くなる。


「オオカミ…は日本にいないからもしかすると犬が嫌いなんだろ?」


図星。ハルは耳まで赤くなった。


「俺はな…せなけいこの絵本が怖いんだ」


「ええっっ」


ミカは思わず口に出してしまい慌てて下を向く。


「犬が嫌いなの~こ~んなかわいいのにどうしてぇえ?触って見なよ~とか馬鹿げたことを言うやつにであうと殺したくなるよな」


こくん。


ハルちゃんが男子の言葉に素直に頷いてる!ミカは驚いた。絵本が嫌いのあとは何を言っているのかわからないけれどすんごい事件だ!
てゆーかヒロシ君なんでこっちじっと見てるの…やだなー。


「ちょっとちょっと奥さんすごいメガネだねいくつ?視力。0,05。ヤヴァイよそれ。ちょっと外してチャレンジだじぇ」

「これ何本だー?」

いくよーと素早く手を動かす。

それって動態視力じゃないのかなと思いつつ
ミカは慌ててメガネをはずす。
「えっとえっと」


「無理無理、ヒロシはそれ、指増やしたり減らしたりしてるよ」


ここでやっと山口の登場だ。


何事かハルと真剣に話していたジュンが山口を指差す。


「お前に嫌いなものはあるのかぁ!!」