「ここで隠れてればいいんじゃね?」


「図書室じゃ委員はいないとはいえ誰が来るかわからないし告白まではしないと思うじぇ」

話の内容を聞いてあとをつける気マンマンだ。


ジュンとヒロシは図書室の一番奥、開けた窓の真下に座り込んでいた。


こっそりのぞくと図書室に入ってくるミカとハルの姿が見えた。


「あれ、呼び出しておいて山口君いないにょ」


「うん、じゃあ帰ろう」


「だめだめ!だめナリよ」


(今の聞いた?ミカちゃんっておとなしい子だと思っていたけれど実はあいう話し方がデフォルトなのか?)


ジュンがヒロシと小声で語り合う。


(そういやハルと一緒にいるときは楽しそうだな)


ミカは本棚から絵本を一冊抜き出すと


小さな子供に聞かせるように読み始めた。


「ねないこだれだ   せな けいこ」


「何故高校の図書室に絵本が?」


ハルの冷静な突っ込み。

でも表情はやわらかい。


「いいから!いつも夜更かしの私達に必要な本だから!」


ミカは大きなフリでおどろおどろしく読んであげる。


ハルはにこにこと聞いている。


(ヤヴァイ…ミカヤヴァイ…受けるじぇ)


ヒロシが思わず聞き入っているとジュンが

フルフル


震えていることに気付いた


(ジュン!どした!)