教室に入ると違うクラスの


背の高い男子がハルを待っていた。


サッカー部の山口君だ。


「放課後、時間ある?」


「無い」


バッサリ。


一刀両断。


山口君は固まってしまった。


「やだ山口君だよ」
「ハルのことなんか好きなんだ」
「イケメンなのに見る目ないね」
「てゆーかハルまじむかつく。何様?!」


女子がこそこそ丸聞こえの悪口を言っている。


「やだな~ハルちゃん、
時間なら
ちょっとくらいあるじゃん!
ね、ね」


「ミカに言われたから
時間があることにしてもいい」

ざわつく教室


「なんなのあの態度」
「ミカもなんであんなのと一緒にいるわけ」


「じゃあ放課後、図書室で待ってる」


「わかりました~」


何も答えないハルのかわりにミカが返事をかえす。