【空真サイド】


「え?嘘でしょ?本当ですか?」

50代くらいの男が俺の会社の名刺を握りしめて、俺をじっと見た。

「嘘なんかつきませんよ。俺はあなたがこの仕事に向いていると思いましたし、社員は多い方が楽しいですから。興味があればぜひ、来ていただけませんか?」

「本当に私が……?ありがとうございます!!」

男は名刺を握りしめ泣き出した。

「じゃあ俺はこれで」

俺は車へ戻った。



「あ、忘れてた」

俺は車を再び降りて立ちすくんでいる男に百万円の札束を3つほど男に渡した。

「これ、交通費とか生活費。使ってください」