俺は毛布で女の子をくるんでやり、ベンツに乗せた。

「その人どうなさるつもりですか、坊っちゃま」

「お持ち帰りさせていただこう」

「……は!?いけません坊っちゃま!はたから見たら誘拐犯ですよ!?」

俺は坂原のとめる言葉を無視し、女の子の顔を再び見つめた。

「せめて病院送りにしてください!」

「家庭医療で済ます」

「そんなぁ家庭医療で済むような傷じゃないですか!多分気絶してただけだと思いますけど、けっこうな傷ですよこれ」