だから、校内で北見先輩を見かけても私は挨拶しなかった。
もちろん、向こうも私のことは無視していた。
それに、奈津と一緒に北見先輩と美玖先輩が一緒に帰るのを見かけても、
もうそのことを私が話題にすることもなかった。
なんだか、ちょっとだけ後ろめたい気もしたけど、
塾で知り合った先輩ってすごく特殊で。
部活の先輩っていうのとも違うし。
あえて秘密にしたつもりはなかったんだけど、
結果的には、学校の誰も知らない二人だけの関係が、いつのまにかできあがってた。
塾帰りの電車の、
12分だけの関係が……
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…