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今年の梅雨はほぼ例年通り、6月半ばに始まったけれど、
都内はさほど降らないうちに7月上旬には明けてしまった。
その間も、塾帰りの電車での北見先輩のサッカー講義は続き、
否応なしに聞かされ続けた私は、いつしか先輩の話の内容をほぼ理解できるまでになっていた。
ただそうなっても、私が自らすすんで見るのは谷崎選手が出てる試合だけだったけど。
「おまえ、いい加減谷崎のチーム以外の試合も見て来いよ」
「やですよー。
興味ないですもん!
それより、海外の選手でかっこいい人、誰かいません?」
「知らねーよ!
そんなの自分で探せ!」
「えー、北見先輩のケチ!」
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今年の梅雨はほぼ例年通り、6月半ばに始まったけれど、
都内はさほど降らないうちに7月上旬には明けてしまった。
その間も、塾帰りの電車での北見先輩のサッカー講義は続き、
否応なしに聞かされ続けた私は、いつしか先輩の話の内容をほぼ理解できるまでになっていた。
ただそうなっても、私が自らすすんで見るのは谷崎選手が出てる試合だけだったけど。
「おまえ、いい加減谷崎のチーム以外の試合も見て来いよ」
「やですよー。
興味ないですもん!
それより、海外の選手でかっこいい人、誰かいません?」
「知らねーよ!
そんなの自分で探せ!」
「えー、北見先輩のケチ!」