「奈津~、今の授業、ひどくなかったー?」


私が唇をとがらせて訴えると、奈津はきょとんとした表情で私を見た。



奈津は、入学して最初にできた友達。

席が前後だからっていうのが一番の理由だけど、さっぱりした性格のいい子で、すぐに意気投合したんだ。

だからきっと、「ほんとだよねー」って共感してもらえると思ったんだけど。



「え?ひどいって、なにが?」


あれ?


「だから、今の授業!めちゃくちゃ説明速かったじゃん。
なに言ってるかちんぷんかんぷんだったよー」

「そう?」

「えーっ!?『そう?』って……」