北見先輩、

もしかしてこれ――


私が寒そうにしてたから、持たせてくれた?


…………


いや。まさかね。


あの意地悪な北見先輩に限ってそんなことあるわけないか。


自分で飲もうと思って買ったけど、ケータイを見るのに邪魔になって私に持たせてたら、飲みたくなくなったから私に押し付けた、

っていうだけ、

だよね?


…………


コクンとひと口飲むと、その温かさが喉から体の奥に広がった。

北見先輩本心はわかんないけど、あったかいからありがたくいただいちゃお!


私は少しずつ温かいコーヒーを飲みながら家路についた。