でも、北見先輩は数学の先生より優れてると思った。


なぜなら、さんざん喋ったあと、こう言ったから。



「……芦川、俺の言ってること、わかってないだろ?」



生徒の顔色をちゃんと見てる。


私は愛想笑いしつつ、小さくうなずいた。


すると北見先輩はまた大きくため息をつき、聞いてきた。


「Jリーグは知ってるか?」


それくらいならわかる!


「はい、日本のプロサッカーチーム、ですよね?」