そのまますぐに、反対側のホームに止まっていた、野川駅方面へ戻る電車に乗り込む。


がらんとした貸し切り状態の車両に腰を下ろすと、北見先輩が手を出してきた。


「わからなかった問題、見てやるよ」

「え?」

「模試」

「ああ!」


私はかばんから模試の問題用紙を取り出した。

パラパラとページをめくる先輩の表情は、以前、塾の教室で見たときと同じように真剣なものに変わっている。


「まったく歯が立たなかった問題、あるか?」

「え、ああ、えーっと、これとこれ」

「じゃあ、まずはこっちからな」