「すみません……」


気づけば私は謝っていた。


そして、北見先輩はといえば、本当にありえないとばかりにため息をつきながら首を振り、

ケータイをパタンと閉じて、私に向き直った。


「いいか、芦川。
サッカーはな、世界の競技人口が2億4千万人、ワールドカップは400億人もの人にテレビで見られていて、オリンピックよりも世界中に注目されてるスポーツだ。
それをよく知らない、だなんて恥ずかしいことだぞ」


「は、はあ……」



2億?400億?

現実味の感じられない数値に圧倒され、私は呆然と相槌を打った。