「これはうちの祖母なんだ。
こちらは、孝太郎と同じ高校の1年生で、同じ塾の……えっと?」


「あっ、芦川と言います!」


私は慌てて頭を下げた。

北見先輩のおばあさまだったんだ!


私が頭を上げると、おばあさまは北見先輩をいまいましそう睨んでいた。


えっ、なんで?

疑問は、おばあさまの言葉で、すぐに解消された。


「塾に通ってるって聞いてたけど、何をやっているんだか!
成績は悪いくせに、女の子に手を出すのだけは早いようね」


あっ!

さっき私が、問題用紙を取り返そうと北見先輩につかみかかったのを見て、誤解されちゃった?